HOME > スタッフブログ > 熊谷市・深谷市・行田市 統合医療と鍼灸について
2014年11月27日
統合医療の中に鍼灸を取り入れる試みが進んでいます。
以下は興味深いリンクです。
コ・メディカルを考える 鍼灸の現在 - 1
http://mag.gto.ac.jp/cat8/cat13/---1-7.html
(引用)
病院ではどんな疾患に対して鍼灸治療が用いられているのだろうか?
東大病院の鍼灸診療外来の患者は、一般の鍼灸院でも多く対応している腰痛症、頸 椎症、肩関節周囲炎(五十肩)などの運動器疾患がやはり6割を占める。が、もともと「アレルギー・リウマチ内科・治療室」というルーツを持つ同部門の特徴 として、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチや膠原病の患者も約2だ。さらに残り2割には内科疾患である神経疾患、循環 器疾患、糖尿病なども入る。(グラフ1)
「以前は整形外科の領域などは、鍼灸に対する偏見が根強かったようですが、最近は医師の考えが変わってきて、『薬物療法と鍼灸治療を併用し効果をあげる』とするような面が目立つようになりました」
粕谷主任はこう話す。
さらに入院患者の治療については、鍼灸治療を依頼してくる診療科で分類すると、アレルギー・リウマチ内科からの依頼が半分を占める。次いで呼吸器科、産科・女性科、放射線科が各10%前後となっているが、だいたいがん性疼痛に対する治療が多い。さらに老年病内科では骨粗しょう症による圧迫骨折後の疼痛などの患者なども含まれる。(グラフ2、3)
(以上)
鍼灸治療というと、肩こり・腰痛のイメージが強い方が多いと思いますが、上記の記事をみればすでに大学病院の医療現場でも、非常に多様な疾患に対して鍼灸が活用されていることがわかります。
さらに引用します。
(引用)
「大学病院での鍼灸治療のメリットは血液検査、画像所見等のデータを踏まえて専門医と討論したり、他の治療法との比較を行えることです。とくに同じ患者さんの病状や疾患について専門医と話し合えることは医療者として貴重な財産です」(粕谷主任)
一方、岐阜大附属病院の鍼灸外来は第二内科のもとに置かれており、患者はむしろ内科疾患や難治性疾患が多い。たとえばアレルギー性疾患、膠原病、消化器疾患などが対象となっている。その他、小児のアトピー性皮膚炎、婦人科疾患では子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、耳鼻科疾患では慢性鼻炎、副鼻腔炎、突発性難聴、神経疾患ではパーキンソン病、顔面神経麻痺などに対しても漢方、鍼灸治療を行っている。
がん疾患に対しては、手術後の症状と治癒力の改善に対して漢方や鍼灸治療を求めて受診するケースが多い。また、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害に対しても、発作後積極的に鍼灸治療をしている。赤尾教授が語る。
「西洋医学では治療しても良好な経過が得られない例や、西洋医学では治療方法がない疾患が少なくありません。中国伝統医学の基礎理論と漢方や鍼灸の技術を修得し、多くの症例を経験したうえで治療を考えることができれば、こうした疾患に対しても治療ができます」
埼玉医科大学の東洋医学診療科の場合、ここに治療を依頼する診療科は、神経内科やリウマチ・膠原病科、整形外科、神経耳科などからの紹介が多く、入院患者も数多く含まれている。疾患別では、顔面神経麻痺、緊張型頭痛、脳血管障害、関節リウマチ、シェーグレン症候群、悪性腫瘍、腎不全などが多い。鍼灸治療の対象となった症状は、難治性の疼痛や麻痺、一連の不定愁訴が大半を占める。(グラフ4、5)
「これらの症状に対する鍼灸治療の有効率は70%以上であり、患者の満足度も極めて高いことがわかっています」
山口講師はこう話している。
また、東邦大学大森病院東洋医学科でも、鍼灸が用いられるのは件数では疼痛治療が多いものの、分野では喘息、子宮筋腫や生理痛、男性機能障害など非常に広域に及んでいるという。三浦於菟教授はなかでも「会陰部痛」への治療効果を強調している。
「もともとうちの医学部の肛門外科で開発した方法ですが、電気鍼を使った良導絡を用いて局所治療を行うものです。患者さんが痛みのため非常に困っている疾患であり、西洋医学では検査しても異常が見つからず、鎮痛剤、精神安定剤などを処方してもほとんど改善しませんでした。場所が場所だけにあまりむやみにあちらこちらに相談することもできないという疾患です。それだけに、うちで行っている鍼治療は喜ばれており、口コミで遠方からもかなり多くの患者さんが見えています」
同科の鍼灸治療は入院中のがん患者の緩和ケアなどについても、病棟へ出張して対応している。三浦教授は「患者さんの満足度はとても高い」と証言する。
「鍼灸には痛みを和らげる効果は確かにあると思いますが、同時に『手で触れてもらった』という感覚によって得られる満足度もどこかにあるはずです。放っておかれるのではなく、いわゆる"手当て"を受けるありがたさが患者さんにはあるのではないでしょうか」
国立がんセンターでは、がん患者に鍼灸治療を取り入れる試みが行われた当初に、現麻酔科医長の横川陽子氏が、鍼灸治療が術後疼痛にどの程度の鎮痛効果があ るかを調べる目的で比較試験を行っている。乳がん術後の23人の患者のうち、手術直後に鍼治療を行った12人と鍼灸治療を行わなかった11人に分けて、そ の後患者の要求に応じて筋注した鎮痛薬ペンタゾシンの投与量、投与回数を比較検討した。その結果、鍼群では対照群と比較して、鎮痛剤の投与回数、投与量と もに有意に少ないことが判明した。院内では鍼灸治療の評判が広がり、「鍼灸治療を受けたい」という希望者も増えていった。(表2)
一方、がん性疼痛に対しては、現代医学の緩和療法が発達しており、80~90%は改善するようになっているが、モルヒネなどの薬物療法が効きにくい例もある。さらにがん闘病中は痛みだけでなく、便秘や浮腫、肩こり、腰痛など全身いたるところに苦痛・不快感が増強する。また化学療法や放射線治療の副作用により吐き気・嘔吐などの苦痛も加わる。病期が進めば、気持ちも不安定になり、不安や寂しさが増強する。鍼灸師はこうした患者と向かい合い、身体も心も癒す全人的治療を試みる。同センター鍼灸治療室の鍼灸師鈴木春子氏はこう話す。
「モルヒネで効果が得られにくい疼痛の中には鍼灸治療を行うとたやすく改善できるものもあることがわかっています。がんの患者さんは気血の巡りに滞りが生じ、肺虚証や肝虚証、脾虚証などといわれる状態になっていて、これを鍼灸で治療することによって、痛みとともに全身の苦痛が緩和できたり、気分が改善されることが少なくありません」
(以上)
モルヒネで効果が出にくいガンの痛みの中に、鍼灸治療でたやすく改善できるものがある...ということを国立がんセンターで長年鍼灸をされている先生がおっしゃってます。鍼灸は体全体を癒すことのできる貴重な治療法です。
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